開削工法(鋼矢板土留め)
片平の仕事Katahira’s Works
平成23年度に実施した首都圏の「国道道路付属施設等設計業務」の中から、開水路を暗渠化し、歩道幅員狭小区間の改良整備(約150m)における施工計画について紹介します。
当該箇所の現状と問題点としまして,6点ほどありました。
1)土質条件が不良。未固結の沖積層(N値≒0)が地下30m付近まで分布ボックス下の地盤改良および置換え処理が必要となります。
2)施工条件として
①国道の交通量が多い,②交差点に近接,③歩道の確保,④民地への影響は与えない。ことが挙げられ、4項目の状況により,施工に際しては,周辺への影響を極力,最小限に抑えることが重要となりました。
施工幅の制限を受ける水路の一般的な,施工方法としては,鋼矢板による締切土留方法がとられますが,この工法によるほとんど工種において,国道側からの施工になり,片側交互通行(36日)を余儀なくされることになります。
土留と基礎コンを施工した後のボックスを据え付ける方法は,リフトローラー工法,ベアリング横引き工法等がありますが,なんとか,土留をしながらボックスを施工できる方法はないかとNETIS(新技術情報提供システム)で検索していたところ・・・、オープンシールド工法にたどり着きました。
開削工法(鋼矢板土留め)
オープンシールド工法
オープンシールド工法は、開削工法とシールド工法の長所を取り入れ,市街地,軟弱地盤等の施工を可能にした工法。
上部開放型のシールド機を使用
側面的な施工については、掘削時,シールドジャッキの先端に4段くらいに分割されている刃口があり,それを掘削面に突き当てて側面の掘削面を抑えます。掘削は,バックホウで行い背面のダンプに積込ます。
ボックスの据えつけは,オープンシールド機の箱内にクレーンで吊り込み,ボックス周辺を裏込注入で充填します。(注入は,箱があるため,1次・2次と実施)これの繰り返しにより,歩伏(ほふく)前進のように推進していきます。
本検討で,現場に即した施工方法や,新技術新工法を取り入れ,工期およびコストの縮減が図られる最良な施工方法についての提案ができたと思っています。
また,今後の課題として,ジャストポイントによる地質・土質調査を実施し,その調査結果によって改良深さ等の見直しが必要です。
現場状況とコスト、施工による周辺への影響を第一に考え、この案に行き着いた。見慣れない工法のため、細部に係る具体的な施工方法について発注者も興味を示していただけたことでも印象付けになったと感じます。今後も、現地をよく把握し、効率かつ効果的な計画を行うようにしていきます。