株式会社 片平エンジニアリング

事故の無い道路を目指して!
各交差点をチェック、安全対策設計による改修を実施

1. "交通事故ゼロ"の道路を目指し、対策プランを作成

愛知県の交通事故死亡者数は、2005~2009年まで5年連続で全国ワーストワンでした。そこで、国土交通省では県警とともに「愛知県事故ゼロプラン」を掲げ、事故が多発している危険箇所915カ所をピックアップして、事故対策メニューを設定しました。私たちは、そのうち交差点を中心とした200カ所超の設計を担当することになりました。

2.対象は交差点100カ所超! 事故対策設計の手順とは?

基本的な事故対策メニューは国土交通省から定められているので、私たちは100カ所超の交差点それぞれについて、以下の手順で対策設計を行いました。

  1. 過去4年間の事故統計をチェックして、事故の特徴を分析する事故平面図を作成。
  2. 自動車の軌跡図を作成。設計車両の決定根拠とする。
  3. 全交差点の現地調査を行って、事故対策メニューの実施が可能かどうかをまとめた確認表を作成。
  4. 対策メニューの実施確認、追加メニューの確認、設計根拠を記録した設計確認平面図を作成。
  5. 工事発注図面とその数量算出作業のスタート。

1~4の資料をもとに打ち合わせを重ね、作業を進めます。100カ所超の現地調査では、国道から、従道路側から、横断歩道橋の上からなど、さまざまな角度から交差点を観察し、現場ごとに異なる利用実態の把握に努めました。

3.右折レーンの設置で、追突事故や渋滞を防ぐ

当時の事故対策設計の事例をいくつか紹介します。

例えば、この交差点には右折レーンがありませんでした。直進車線に右折待ちの自動車が止まっていると、追突事故や渋滞を引き起こす要因となります。そこで、直進車線と中央分離帯をそれぞれ縮小して新たに右折レーンを確保。わかりやすく道路上に青色で右折レーンの表示をつけました。

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直線車線、中央分離帯を縮小して右折レーン(青色、赤色部分)を新設

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右折レーンが無かった交差点

4.交差点をコンパクトにして、スピード抑制

また、国道のこの交差点は規模が大きく、歩行者、自動車ともに横断距離が長くなっていました。自動車の右折、左折時にスピードが出やすく、直進してくる自動車や横断中の歩行者との事故につながります。この交差点では路肩が車線として使用しないゼブラ帯となっていたため、事故防止の観点から、縁石や都市型側溝ごと歩道を前に広げて、交差点のコンパクト化を図りました。

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歩道を前に広げて(黄色い部分)交差点をコンパクト 化する

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改修前

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改修後(歩道を前に広げた)

※中部地整の設計要領(第3章幾何構造 P3-1)で紹介されています。

5.利用する人々が安心を感じられる道路に

安全対策には、利用実態の把握が重要な手がかりとなります。車線変更のタイミング、交差点内での停止位置、渋滞しているレーン、歩行者の導線など、いずれも現場ごとに異なるため、調査が大変でした。また、交通量の多い道路なので、改良工事の時間や交通規制などについて十分な検討が必要であると身にしみました。

普段、自分自身でも運転中や歩行中に危険を感じることがあります。こうして愛知県全域の国道交差点で事故対策設計に関わることができて誇りに思いますし、利用者のみなさんに安心を感じてもらえるとうれしいです。これまで道路は自動車優先で建設されてきましたが、高齢者社会を迎え、時代に適した道路、歩道の整備などに携わっていきたいと思います。

筆者プロフィール

名古屋支店技術部 寺岡健太郎(2004年入社)

学生時代は、軟弱地盤を安定化する気泡混合処理土について研究する傍ら陸上競技にいそしむ

2004年 本社 トンネルや道路構造物の設計を担当

2008年 現場管理(愛知県岡崎市) 新東名高速道路の施工管理業務に従事

2011年 名古屋支店 交通事故対策を中心とした道路設計業務を担当

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