「老知苑構想」とは
高齢化社会の進展とその問題点
わが国においては高齢化がますます進展し、約10年後には4人に1人が65歳以上となる「超高齢化社会」の到来が予測されています。その際、これまで整備されてきた社会基盤と生活者ニーズの不一致や、地域の活力低下、高齢者医療費の増大、高齢者の就労機会減少など、決して明るいとは言えない問題の発生が指摘されています。
社会ニーズにあった社会システムの形成に向けて
「超高齢化社会」では暗いイメージが付きまといますが、実際には高齢者の約9割が健康であり、勤労意欲も高く、社会との関わりを持って生活したい人は7割以上を占めています。
右図は県別の65歳以上の就業者率と一人当たりの老人医療費の関係を示したものですが、就業者率が高いほど診療費が低くなっており、これからの社会では活動・活躍の場の形成が重要であることがわかります。さらに、高齢者の持つ知識や経験、知恵を生かすことは、若い世代も含めた社会の活性化につながるものと考えます。
老知苑構想とは
老知苑構想は、高齢者が長年の経験に裏付けされた成果として持ち合わせている知識・知恵を社会的に活用させながら活躍できる場を提供し、各種研究(学び、伝承)や事業(ものづくり)、癒し(遊び、交流)などを行うことを通して、地域の自立、生活者の自立と健康を支援するものです。
これには高速道路はじめ道路ネットワークの活用が前提となります。高齢者の活力は左図のように支出傾向に証明されています。
老知苑構想による地域づくり
老知苑構想では、地域の自立、生活者の自立と健康を支援するという観点から、次の様な方向 で地域づくりをすすめることを提案します。
- 高齢者の知恵と知識の活用
- 地域の文化・伝統・自然などを大事に守り、活かして、地域独自の拠点づくりに「高齢者の知恵と知識」を活用する。
- 孤独なお年寄りを減らし、生きがい、活躍の場を提供する。
- ふれあい、コミュニティの場創出
- 自然を通して多くの人に文化性豊かな生活環境が享受できる施設づくりを行う。
- 都市部の児童・学生が、自然とのふれあい、高齢者との対話や技能を通じて、体験的に学ぶ「場」を形成する。
- 地方と都市部との接点と移動の利便性を持った広域的な機能を備える。
- 生活の場であり、労働の場である街としての整備も考えられ、都市部からの移住や地域以外の人との連携・交流の地域拠点として活性化を図る。
- これらの場・施設を防災拠点として活用する。
- 災害時に生活の安心が保証できる防災拠点としての役割を担う。
老知苑構想による地域づくりの課題
少子・高齢化社会を迎えるこれからの地域づくりにおいては、効率性が求められ、整備費用や空間確保、組織体制においては、既存のストックを生かし、官民一体となって地域づくりをすすめる必要があると考えます。
- 整備費用(公的資金・補助制度、民間活力の利用、開発利益の還元)
- 空間確保(農地の転用や既存施設の有効活用、情報システムの導入)
- 総合的な組織体制(地域の特性を生かした組織作り、官民一体の協力体制)